“充電期間”何してた? vol.3 ~麻生顧問より~

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今回は当協会の顧問を務めてくださっている、東京農業大学名誉教授の麻生恵先生からのリポートです。風景計画や自然再生がご専門の麻生先生は、現在佐賀県三養基郡みやき町の“地域おこし協力隊”としてご活躍されています。

“何してた?”と過去形のタイトルですが、充電期間から現在もそしてこれからも続いていく「田んぼ」の取り組みです。

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年度末に、「みやき町景観計画」を完成させましたが、それを住民に説明・普及させるイベント(シンポジウムやワークショップなど)がコロナの影響で全て中止になり、テンションがやや低下した状態が続いてます。

一方で、自宅から100mほどの場所に小さな田圃(1.2畝)を借りることができ、稲作を勉強しています。コロナで人が集まらず、田んぼの所有者(小学校時代の友人)にお願いして機械で植えてもらいました。1.5アール(15m×10mほど)の小さな田んぼなので10分もかからず終わりました。機械で漏れた部分を手植え(補植)しましたが、結構大変でした(圃場整備された四角い田んぼが如何に効率が良いか痛感)。

 

田植え10日後の棚田

田植え10日後の棚田の風景です。山林からの沢水を直接入れているので、おいしいお米が獲れる地域です。私の家はここから100mほどの所にあります。

 

 

 

雑草は全て手で取ります

除草剤を使っていないので、雑草(初期はイヌビエ、後半はコナギなど)取りが大変です。2週間に1回、ぬかるむ田んぼに入って1時間ほどかけて手取りで除草します。大半の農家は田植え直後から除草剤を上手に使って(水位を調節して)ダメージを与え、雑草のほとんど無い田んぼを維持してます。

 

 

無農薬なので田んぼの生き物は豊富です。ウスバキトンボ(ショウロウトンボ)が沢山発生しました。

 

 

 

8月末に出穂

8月末に出穂、稲の花も無事に咲き終わりました。田んぼの所有者(稲作の師匠)からもお褒めの言葉をいただきました。

 

 

台風で倒伏

ところが立て続けの台風で倒伏が発生。無惨な状況になってしまいました。窒素肥料(無肥料のつもりでしたが、所有者が田おこし前に肥料を撒いていた)の効き過ぎと密植(無農薬の場合は間隔をもっとあけるべき)が原因のようです。茎が折れていなければ手で(棒で)起こすことも出来るようなのでやってみたいと思います。

コロナが収まれば子どもたちを運営に参加させたり、稲刈りや稲掛けをイベント仕掛けでやりたいと思いますが‥‥。当地区の棚田は、かつて献上米を出したり寿司屋さんが直接買いにくるほどおいしいお米が獲れるにも関わらず、後継者難で耕作放棄地が増えています。山里の景観保全と併せて、ベースである田んぼが存続する仕組みの必要性を痛感してます。

(顧問・麻生恵)

 

 

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